2009.8.26

「最近の死刑事件の問題点」

平安総合法律事務所 所長
弁護士、会員 山本 浩三 君

オウム真理教教祖の犯罪は日本の犯罪史上最大、最悪なものであるといえる。殺人、殺人未遂等13の事件で起訴され、平成8年に裁判がはじまり、平成16年2月に東京地裁で死刑判決が出た。ところがこの事件の裁判は、東京地裁の死刑判決で確定し、東京高裁でも最高裁でも裁判ができなくなった。弁護士が控訴趣意書を提出せず控訴棄却になったのである。この弁護士等は各弁護士会で懲戒処分をうけている。

光市母子殺害事件は18歳になったばかりの少年の犯罪である。はじめ二審まで無期懲役刑であったが、最高裁で破棄差戻になり広島高裁で今年死刑判決となり、最高裁に上告された。オウム事件を弁護した弁護士の中でこの事件の弁護をした人もいる。その弁護の内容を批判し、テレビの懲戒申立をすすめたタレント弁護士が、不法行為で損害賠償判決をうけた。

和歌山カレー事件で最高裁は全員一致で死刑に合意している。検察官の大掛かりな化学的立証に対し弁護士は十分反論ができなかったようである。被告人は第一審では黙秘し、第二審では無罪を主張している。現在再審請求をしている。

死刑判決の基準を示すものとして最高裁の永山事件判決がよく引用される。永山則夫元死刑囚は4人の殺害等により死刑判決を受けたが獄中勉強し、作家となり文学賞を貰い、印税を奨学金に寄付したりして、世間の注目を集めたが、死刑が執行された。この判例では被害者の数や遺族の被害感情等も斟酌するようにと判示されている。

死刑は法務大臣の命令により刑務官が執行する。現在の日本の死刑方法は絞首である。

死刑廃止論は18世紀啓蒙期にヴォルテールらによって主張され、イタリアのベツカリアらによって体系づけられてきた。死刑廃止は人類の文化となったということもできる。E・Uは加盟の条件に死刑廃止を要求している。元最高裁判所判事で刑法学者の団藤博士は死刑廃止論者である。

アメリカ合衆国最高裁は一度死刑を憲法違反としたが、現在は合憲としている。オバマ大統領の再選により死刑廃止の道が開けることを期待する人びとがいる。

京都ロータリークラブ
〒604-0924 京都市中京区河原町通御池上るヤサカ河原町ビル4F
Tel 075-231-8738 Fax 075-211-1172
office@kyotorotary.com

Copyright (c) 2007 Rotary Club of Kyoto. All Rights Reserved. Site Map