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2009.11.11
「京都の山や森、いま元気ですか」
(株)もみぢ家 代表取締役 会員 山本 忠彦君
江戸時代から代々、高尾で林業経営をいたしております。高尾は紅葉の名所ですが、一番素晴らしい北山杉がとれる地域でもあり、その地で北山杉を中心に檜や松茸等を採って先祖代々暮らしておりました。昭和45年当時、林業は日本列島改造論で勢いがありました。しかし現在は、林業家は非常に厳しい状況におかれております。
京都の木材のおかれている状況は非常に悪く、原因は国が昭和35年位から杉や檜の針葉樹の天然林を角材造林に変え、又知床半島から屋久島まで同じ林業経営を勧めた為です。現在、補助金制度で間伐を勧めていますが、北山杉は補助金の出る3割カットでは間が空き、雪や風で倒れたり、弊害の可能性もあるので林業経営は土地に合ったやり方をすべきだと森林組合や府の方に話しております。
又、アメリカから木材を輸入する事により、なくなったのが製材所、原木の市場です。橿原の方まで木材を運ぶと運搬賃が高く、赤字になるので林業家は手入れしなくなり、林の中が暗くなり、枯れ木が多く出来てきます。檜や杉は日が差さないと根が入って行かないので、台風等で倒れ、原木が川へ流れ水害が起こります。その為にも、間伐が必要です。
また、京都は山紫水明の地で大変きれいな山々が育って来ましたが、今その山々が危惧される状況にあります。松くい虫により松枯れが急速に進んでいます。以前、日本にはマツノザイセンチュウという虫はいなかったのですが、北米からの松に付いて、入ってきたと言われています。昔は薪にして切り出しておりましたが、この頃は奥山は山岳仏教の信仰の場所で、薪を採ったり、木を切り出すことがなくなり、あまり山へ入らなくなりました。山が荒れ、松が減り、松が枯れれば、松茸も減っていきます。
松が枯れると、椎の木がはびこってきます。この頃は椎の木にも集団ナラ枯れ病が進んでおり、100年程後、松も椎の木もなくなれば、山の景観はガラッと変わります。対策は人間が山に入って手入れ、研究することで、今までは経済活動で山へ入っていたのをこれからは環境面や紅葉狩り、特区でマツタケを実験的に作る等、人々が入りやすい場所を設けることが必要です。
最後に、10月25日の京都新聞に、嵐山の景観が将来的に不安という記事が出ておりました。森林の世代交代が進まず、森林管理事務所は意見交換会で方法を探る、というものです。嵐山も国有林も儀式で植樹等をしていますが、無作為な植樹により野生の鹿が増え、若木を食べるので、高い老齢木だけが残って若木が育たないという状況です。同じことが東山や北山でも起こっており、これから我々は研究し、植林し、保育をしていく必要があると思います。
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