2009.12.9

「光を創る」
照明デザイナー
近田 玲子さん

京都と言えば観光ですが、観光とは「国の光を観る」ことと、最近知りました。この「光」はランプで照らす光ではなく、誇れるもの、大事なものという意味なのですが、私にとっては、この光の意味こそが、自分が創ろうとしている光、表現したい光のありようを指し示しているように思います。

さて、まず、皆さんに明るさについてお考えいただきましょう。この部屋の明るさは約450ルクスですが、昨日の午後1時の日向の外の明るさは約6万ルクス、夜中の満月の明るさは約0.2ルクスです。照度計による明るさの測定の次は、白熱灯、蛍光灯、LEDの3種類の光源で色の変化を体感していただきます。特に、次世代を担うLEDについては、その経済性や省エネルギーに優れていることを、実感していただけたことと思います。

明るさを得ることだけを求めるのであれば、先ほどご覧に入れた裸ランプがあれば事足りるかも知れませんが、誇れるもの、大事なものとしての光を表現するには、そのまなざしが問われて参ります。続いては、デザインを手がけた実例を通して、どのような考え方で光を創るかお話しします。

未来につなぐ:歴史ある太宰府天満宮を望む丘の上に建てられた九州国立博物館の照明計画では、未来につなぐ博物館づくりをめざしました。設計の途中では、光を組み込んだ模型をつくって検討します。

庭園光響曲:椿山荘フォーシーズンズ・ホテル椿山荘東京では、1時間で庭園全体がゆっくり変化する光、音楽に合わせた3分間の光の演出、ホタルの時期の明るさを抑えた照明をデザインしました。LED投光器を中心とした照明器具に替えたことで、消費電力を以前の約半分に減らすことが出来ました。

風を見る:新田一番街さくら坂では、風車で発電されると歩道に埋込まれた光の色が変わる照明を考えました。歩道の光の色が変わったのは、風が吹いていたから、風車で発電された電力が使われていると気がつくデザインです。

象徴を蘇らせる:早稲田大学・大隈記念講堂の改修でも、塔の内側を照らす照明としてLEDを使っています。

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