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2010.2.10
「福祉の発見、共生主義の哲学」
社会福祉法人 こころの家族 理事長
尹 基氏
ゆんぎ でございます。よろしくお願いいたします。母(田内 千鶴子)は7歳の時に韓国に渡り50年間暮らしました。亡くなるときに「日本に帰って梅干が食べたい」という言葉を残して亡くなりました。亡くなった時には木浦の市民3万人が冥福を祈って初めての市民葬で送って頂きました。父親は母が一人娘だったので田内家に入って韓国に生まれながら韓国の血統なのに韓国で日本人として外国人登録をして生活をしている奇遇な運命の一人です。京都では3代続けて京都に住まないと京都人になれないという話を聞きました。父と母が日本と結婚をして、私は日本人と結婚をして、娘がまた日本人と結婚して、私は京都人ではなくて日韓人であるといつも自己紹介しております。
「共に生きる」これが私どものキーワードです。東九条に建った「故郷の家・京都」では文化を中心とした色々な楽しい行事を毎日のように行っております。「夢・自立・文化」を目指して在日コリアンと日本人が故郷の香りに包まれて生活できることを目的にしております。そして両国の文化を取り入れたサービスをきめ細かく行っております。福祉施設の在り方は地域との連携を持つことが大事であるということでトータルマネジメントに力を入れております。人事面でも故郷の家が目指している「夢・自立・文化」のことを職員に説明して採用しております。この施設をつくる際に、制度や心、考え方の違いの壁を乗り越えるのに苦労もしましたが、ロータリークラブの皆様やマスコミが協力してくれました。
現在は、福祉のことを訴えていく本を書いたり、母の生涯を映画化したり、セミナーを開催したり、韓国からの研修生を受け入れたり、日韓心の交流シンポジウムを開催したりしております。
毎年在日コリアンの約1万人が日本に帰化しております。50年後には、戦前のしこりによって日本に住むようになった在日コリアンはいなくなると言われています。今後は、本人の選択によって日本に住む方々が増えると言われています。老人ホーム設立の今までの実績ですと5年で1ヶ所ですから100ヶ所つくろうと思ったら500年かかります。だからこれは私の遺言として社会に訴え続けています。私どもがつくるのではなく、各地域の方々が立ち上がって頂きたいと思っております。京都の場合は、府と市から59,400万円の交付金を頂き、後は寄付金と法人の持ち分でつくりました。
私たちは、日本の国に住む外国籍の人が日本は良い国だと言える社会創りをしたいと考えております。福祉を通して考え方を広げられたとか、福祉関係で国際交流ができたとかが私たちの活動の意義ではないかと思います。日本と韓国の不幸な歴史を乗り越えて共に生きる一つのモデルを提示しているのではないかと思っています。
京都ロータリークラブ
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