2010.5.12

―新会員スピーチ―
「注目されるインド市場」

(株)三菱東京UFJ銀行 執行役員京都支社長
会員 丸森 康史 君

インドは2008年度のGDPランキングでは世界第12位ながら、2050年のGDPは現在の34.5倍に成長し、日本のGDPの5倍以上という世界第3位の経済大国となると予想されている。人口増加と所得向上による内需拡大が見込まれており、労働力コストもアジア諸国と比較して相対的に安価であるとして、多くの日本企業から有望視されている。総人口は2008年の11.8億人から2030年には14億人まで増加して、中国を抜き世界最多となる見通しであり、総人口の過半数を占める25歳以下の若年層が今後中長期的に労働・消費の担い手としてインドの成長を牽引していくとみられている。

興味深いところでは「耐久消費財の普及率」がまだ低い。「IT先進国」のイメージが強いインドであるが、パソコンや携帯電話の国内普及率はまだまだ低い。また、冷蔵庫や洗濯機などの生活用家電や自動車・二輪車などの普及率も総じて低い。この「耐久消費財の低い普及率」は、インド国内の貧富の差が激しいことが一因であると推定される。

マーケット別にみると、平均的なインド人にとって自動車はいまだに高嶺の花であり、国内自動車販売台数は二輪車の3割弱であるが、6年間で2倍強に成長しており、将来の所得向上による2輪車から低価格小型車への買替えが期待されている。10回目となる2010年1月開催のオートエキスポには世界30カ国約2,100社が最新の技術や製品を披露、過去最高の200万人超が来場した。トヨタ自動車、ホンダ、スズキの日系メーカーはこぞって新型コンセプトカーを出展したほか、昨秋の東京モーターショーへの出展を取りやめたGMやフォルクスワーゲンも参加。今後のインド自動車市場の成長への期待が窺われる。

また、携帯電話の総加入者数は、2006年5月に1億人を突破して日本市場を抜き、その後2008年3月に2.6億人となり、米国を抜いて世界第2位のマーケットへ躍り出た。2009年11月には5億人に達しており、急スピードで市場が拡大している。2008年度の地域別携帯電話普及率は都市部で88.11%、地方では15.02%であり、地方での携帯電話マーケット拡大が見込まれる。

最後に、日本企業のインド進出には「駐在員の食・住環境の整備」が欠かせない。夏季は気温が50度近くに達することもあるほか、牛肉・豚肉・鮮魚等は国外から持ち込む必要があり、飲料水もミネラルウォーターに限定した方が無難であるなど、駐在員の生活基盤の整備が必須である。

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