2010.6.2

―新会員スピーチ―
「会計のこと、知っていますか」
ひかり監査法人 代表社員
会員 光田 周史 君

会計のことについてお話ししますというと、小難しい数字の話かと思われがちですので、今日は数字のことは抜きにして、会計の本来の意味あるいは役割について語源を辿りつつお話ししてみたいと思います。

さて、会計の「会」は、旧字体である「會」で説明します。下部の「日」は、コンロを表しています。そして、中程の「四」に似たところは、蒸籠(せいろ)です。さらに、上部の「八」に「一」を足した箇所は、湯気を示しています。つまり、コンロの上に置かれた蒸籠から湯気が上がっている状態を図示しているのです。このように「會」の文字は、蒸すことによって大きく膨らみ増大するということを意味し、それは「増」と同義といえます。一方、会計の「計」は、旁の「十」と偏の「言」から成っています。「十」は数字の10ではなく方角を示します。地図の見方でいえば、上が北で右が東を示しているといえばよいでしょうか。そして、「言」は文字通り伝えることです。つまり、「計」は各方角別の真実を伝えるという意味で報告や説明と同義といえます。このように、會と計の文字の成り立ちから「会計とは、増加(または減少)したことを報告する」ことを意味しています。こうして考えますと、会社の売上や利益が増えたのか減ったのかを報告する手段として会計が用いられていることも十分肯けるところです。

ところで、こうした考え方は英語でも同様です。英語で会計のことを「Accounting」といいますが、これは「account for~」に由来します。「account for~」は、「~を説明すること」ですから、企業の例で言えば「Accounting」は、その実態を説明することを意味するのです。意訳すれば、会計は企業について語りかける言葉であると言ってもよいでしょう。この点、監査のことを英語で「Audit」といいますが、これは言うまでもなく「Audio」から派生した言葉に他ならず、「聞く」ことを意味します。つまり、監査とは会計が語りかける言葉に耳を傾け、その是非を判断することなのです。

語源ついでに少し脱線させていただくと、英語で会社を意味する「Company」は「Com」と「pany」から成り立っています。「Com」は、togetherと同義で「一緒に」を意味し、「pany」は文字通りパンを表します。つまり、「みんなで一緒にパンを食べる」ことができるように協働する場が会社に他ならないのです。

このように、漢字や英語による語源から会計や会社の由来を探ると、会計は決して小難しいものではなく、会社のことを知るための便利な道具であることがご理解いただけると思います。皆様方の会社が「みんなで一緒にパンを食べる」のに相応しい存在かどうか、会計が語る言葉に改めて耳を傾けていただければ、何かが聞こえてくるかも知れません。

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