2022.1.19

「IOTとAIが切り開く 第4次産業革命=DXとSociety5.0」
(株)村上憲郎事務所 代表取締役
元Google米国本社 副社長 兼Google Japan代表取締役社長
村上 憲郎 氏

IOT(Internet of Things)とAI(人工知能)は、第4次産業革命やSociety5.0(超スマート社会)につながる技術として注目されている。AIの進化を支える電子計算機の性能は向上し続け、量子計算機も実用化段階に入った。通信分野では、4Gから5Gへの移行が始まった。社会全体が大きく変容を遂げつつある。

身近になったスマートフォンは、モバイル・インターネットと呼ばれ、多様な機能を備えている。次の段階として、眼鏡型や腕時計型などウエアラブルのデバイスも実用化された。インプランタブルといって体にデバイスを埋め込み、体温、血圧、脈拍など体の生理的な状態を管理することもできるようになっている。

脳から機械へ指令を伝え、機械から脳へ信号を返す技術の開発も進んでいる。ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたロボット学者のピーター・スコット=モーガン氏は自らの体を機械化し、脳をインターネット経由で人工知能につないだ。『NEO HUMAN』という著書の中で「将来、純粋な機械人間になり、AI人格として生きることになる」と未来を語っている。このような技術が着々と進捗しつつある。

通信システムの5G化の最重要ポイントは、超多数同時接続の機能だ。5Gは、人と物をつなぎ、あるいは物と物が勝手に通信を始めるための基盤として開発されてきた。こうした機能を備えた都市をスマートシティと呼ぶ。世の中のあらゆる物がインターネットにつながって、様々な新しいサービスが提供される。

スマートシティにおける中心テーマはエネルギーだ。今後、覇権争いのカギを握るといわれる核融合炉の開発に各国がしのぎを削っている。

IOTとAIが第4次産業革命をもたらすと言われる。第4次産業革命は、工場の無人化、定型業務従事者の失業など雇用問題に大きな影響を及ぼすだろう。だから日本政府もセーフティ・ネットを備えたSociety5.0を準備しようとしている。

企業も、第4次産業革命を生き抜く戦略を練る必要があるが、最後はやはり「パトス(情熱)」が大切だと思う。私は74歳になった今も「我等いつも新鮮な旅人、遠くまで行くんだ!!!」という思いで、若い仲間たちと共に仕事に向き合っている。

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