2022.1.26

「敬天愛人」
(株)日商社 取締役会長
京都R.C.会員
谷川 君

新型コロナの感染拡大が始まってから、およそ2年になる。これまで経験したことのないような日々を過ごすなかで、私は改めて「敬天愛人」という言葉を思い起こした。『西郷南洲遺訓』(岩波文庫)に収められている西郷隆盛の言葉だ。

「道は天地自然の物にして、人は之を行うものならば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以て人を愛するなり」と彼は言った。日本人は自然に対して畏敬と親しみを感じ、敬する心をもって生きてきた。同時に、人は互いに、いがみ合わずに、思いやる心をもつことが大切だ、という意味だと思う。この教えは、私たちがいま取り組んでいるSDGsの精神にも通じる。

この遺訓集の冒頭には「廟堂に立ちて大政を為すは天道を行うものなれば、些(わずか)とも私を挟みては済まぬものなり」とある。為政者の基本的な姿勢について語った西郷の言葉だ。

さらに、「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を盡して人を咎めず。我が誠の足らざるを尋ぬべし」(人に左右されず、道理を究めよ、自分に厳しく人に寛容、そして謙虚であれ)といった教えや、「過ちを改るに、自ら過ったとさえ思い付かば、それにて善し、直ちに一歩踏み出すべし」(自ら反省し、過去にこだわらず、前向きに一歩を踏み出すことが大事だ)といった言葉も遺されている。

南洲翁の日々の行動指針は「青天白日は常に我にあり」だった。常に心にやましいことがない精神状態であれ、と自らを律したという。

私は、同書に収められた言葉やエピソードを読み返すたびに、リーダーのあるべき姿として「言行一致」が求められる、と強く感じる。

私の座右の銘は、「意識は行動をつくり、行動は習慣をつくる。習慣は人格をつくり、人格は運命をつくる」という言葉だ。コロナ禍の収束が見えないなかで、まず会社のリーダーが意識を変えなければならない。今後は、会社もリーダーの企業理念を一人ひとりが自ら行動する時が来ました。肩書でなく一人ひとりが社会に対して、自立することであります。皆んながロータリアンになることです。

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