2022.3.9

「100年に1度の変革期に直面して」
光自動車工業(株) 代表取締役
中井 一雄 氏

弊社は昭和26年に祖父が創業した。当時は車があまり普及していなかったので、路線バスや官公庁車両の整備が主な仕事だったという。その後はモータリゼーションの波に乗り、「自動車の総合病院」をキャッチフレーズに自動車整備業を営むようになった。

自動車業界には今、「CASE」という大きな流れがある。「Connected」「Autonomous」「Shared & Services」「Electric」の頭文字をとって、こう呼ばれている。コネクテッド化とは、スマホ連動型のアプリが車につながるなど、車内外のデータ連携の加速を言う。自動化の進展により、レベル3以上の自動運転車が2040年には4000万台を超すと言われる。シェアリング化は車を共有して使うサービスなどの普及、電動化とはEV(電気自動車)などの開発が加速している状況を指す。

自動車整備業界はこのような変化への対応を迫られている。コネクテッド化、自動化された車の整備には、電子制御装置も含めた「特定整備」が求められる。令和6年10月からは、車検の項目に電子制御装置のチェックも追加される。弊社では「特定整備」の認証を京都の第1号として取得している。

次に、カーシェアリング。このサービスの普及によって車両台数が減少すれば、整備の仕事も減るだろう。あるいは電動化が進むと部品点数が25~30%減ると言われ、これも整備収益の減少につながるという懸念がある。

さらに、令和5年1月から車検証がICカード化される。民間指定工場が電子的に申請する方式になる。整備事業者もDX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応を急がねばならない。

若者の車離れによって、車に乗る人も減ったが、整備士を目指す若者も減っている。ヒトの確保も整備業界にとって喫緊の課題になっている。

創業から70余年、時代やお客様ニーズの変化に対応してきた。自動車業界の大きな変革期にあっても、新たな整備技術の向上やサービス体制の強化に取り組んでいきたい。

同時に、「今日しかない『出会い』を届けるために人を乗せ、今日しか伝わらない『想い』を届けるために物を載せて、京都の街を走っている車たちの活躍を支える」という当社最大の使命を、これからも変わらず果たしていきたい。

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