2023.3.8
「100年のロータリー」
R.I.元理事、京都R.C.会員
千 玄室 君
4月19日で100歳になります。こうして元気に年を重ねられたことに心から感謝しています。
“年重ね 竹ひとふしに思いかけ”
振り返れば、いろいろなことがありました。生意気盛りだった旧制中学での5年間、一生懸命に学び、体を鍛えたことが私の土台をつくってくれたように思います。戦時下にあり、やがて陸海軍に入隊するであろう私たちに、先生から「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」「但惜身命(たんじゃくしんみょう)」の教えをいただきました。「体も命も惜しまず捧げる気持ちは大事。でも、自分の命も大事に」という教えです。
やがて私は海軍に入隊。鹿屋の特攻隊に配属されましたが、「待機命令」を受けたままで終戦を迎えました。それから78年間、私は忸怩たる思いで生きてまいりました。お国のために命を捧げた戦友たちは、常に私と共にあります。いつも私に「千よ、頑張れ」と気合を入れてくれます。
その声に励まされながら、一盌の茶をもって世界の人々とふれあい、平和を願い続けてきました。お茶には、「いかがですか」「お先にどうぞ」といった「礼」があります。英語の「After you」にも通じます。互いを思いやる気持ちは、世界平和にきっとつながるはずです。
ロータリー歴は65年になります。私にとってロータリーはとても大きな存在です。それでもまだ、本当のロータリーというものが、私にはわかりません。ロータリーが教える人生哲学はそれほど奥深いのだと思います。
ロータリーの職業奉仕(Vocational Service)は「vocation(天職)」を通じた社会への奉仕です。そのためには、ロータリーという居場所で異業種の仲間と交流し、自身の仕事への理解を深め、自分の存在価値を確認することが大切です。それは、人格や品性を育むことにもつながります。
京都クラブが150周年をめざして存続するためには、今このときが大切です。例会で過ごす一瞬一瞬を大切にしてください。仲間との交流によって自分自身を認識し、ロータリーで最も大事な「Service Above Self(超我の奉仕)」に、「dedication(献身)」に、力を尽くしましょう。皆の幸せを願い、世界中のロータリアンが手をつなぎあって立ちあがれば、より素晴らしい奉仕が実現します。私たち京都R.C.が率先して行動していかなければならない、と強く思います。
京都ロータリークラブ
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