2023.10.4
― 米山月間に因んで ―
「兆億という名で始まった私と世界の『つながり』」
米山奨学生 張 兆億 さん
私は、京都市と友好都市である中国陝西省西安市で生まれ、育ちました。名前は墨子の「人民之衆兆億」からであり、人並みに幸せな人生を送ってほしいとつけられました。
私たち人類が住んでいる地球は、太陽系にあるごく小さい1つの星であり、私たち一人一人もこの小さい星の中で、数え切れないほどの個体の1つに過ぎないと思います。私たちの人生の中に、さまざまなことが起きます。そのような出来事がたとえ悪いこととしても、良いこととしても、私は宇宙からのパンくずだと思っています。私は宇宙からの兆億あるパンくずを受け取って成長してきました。
そんな数多くの宇宙からのパンくずの中で、私を作り上げてくれた特に重要なものを紹介させていただきます。
宇宙からのパンくずその一は、小さい頃の寧夏回族自治区への旅行の経験でした。その際、現地の蛇口からの水を、沸かして飲んだにもかかわらず細菌性赤痢にかかり、1ヶ月以上入院しました。この経験から、世界中で安全でない水に苦しむ数百万人の人々に思いを馳せ、水環境の研究への道を選びました。大学では京都大学工学部地球工学科に入学し、水環境について研究をスタートしました。
宇宙からのパンくずその二は、大学一年の夏に、Apple Kyotoのオープニングスタッフとして働く機会でした。この経験を通じて、ジェンダーギャップを無くすボランティア活動を始め、京都マラソンや国際協力を図るNPOのサマーキャンプでもボランティア活動をしました。サマーキャンプの経験から教育と経済格差の問題を痛感し、環境やジェンダーギャップ以外の社会課題にも関心を持ち始めました。さらに、通訳ボランティアとして、Kyoto Graphieで活動したり、関西クィア映画祭で慰安婦問題のドキュメンタリー「二十二」の日本上映に携わったりしました。
これらの経験から、次の宇宙からのパンくずが私に訪れるとき、それを受け取れるように常にアクティブで、ポジティブでいたいと思います。
最後に、米山奨学会を通じて皆様と出会えたことも、宇宙からのパンくずだと思い、感謝しています。
京都ロータリークラブ
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