2024.1.31

― 追 悼 例 会 ―

「故 井澤 英夫君を偲んで」
千 玄室 君

井澤英夫君とは、京都青年会議所時代から50年以上のおつきあいになります。五条大橋西詰にある牛若丸と弁慶の像を京都市へ寄贈した折にも、各方面との交渉や準備に、ともに奔走しました。

無二の親友、といっても私よりだいぶ年下で、兄弟のようにいつも私に寄り添ってくれました。優しくて、ちょっと石坂浩二さんに似た、いい男でした。南座の向かいで和装小物などを扱う老舗「井澤屋」を経営されていたので、私が海外へ行くたびに、持参する京土産を選んでいただいたのも懐かしい思い出です。

彼が京都ロータリークラブへ入会してから、私たちはますます親交を深めました。井澤君、稲岡伝左衛門君などみんなで、何かというと集まって談論風発。未来の京都について、あるいは個々の悩みまで、時間を忘れて話をしました。

亡くなる10日ほど前、彼を食事に誘いました。楽しい時間を過ごして「また会いましょう」と別れたのが最後になりました。

私の心の中には語り尽くせないほどたくさんの思い出があります。ご冥福を祈ります。

「故 日比野光鳳君を偲んで」
柏原 康夫 君

日比野先生と初めてお会いしたのは1998年2月の例会でした。とても気さくに話してくださったのを覚えています。

私が「毛筆の手紙を上手く書くにはどういう練習をしたらよいでしょう」と尋ねたところ、先生は後日、書道の道具一式を携えてわざわざ頭取室に来られ、「これで練習しなさい」とおっしゃいました。以来、先生に書を教わることになりました。

練習を続けていたある日、朱熹の「少年老い易く学成り難し」から始まる手本を手渡され、「これを書いてきなさい」と言われました。書いて持って行くと、「これでよろしい」「すぐに表装しましょう」と言われ、立派な表装に仕上げていただきました。先生は素人をおだてるのがお上手でした。丁寧なご指導のおかげで、私は字を書くことに少し自信をもてるようになりました。

「書は、無理して読もうとしなくていい。散らしや墨の濃淡を鑑賞すればよい」と鑑賞法も教わりました。なめらかで優美な日比野先生の作品もそのように味わいたいと思います。

かけがえのない、素晴らしい先生でした。ご冥福をお祈りいたします。

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