2025.9.10
「2025年大阪・関西万博後を見据えた大阪の観光戦略と京都との連携」
(公財)大阪観光局 理事長 溝畑 宏 氏
日本の世界における立ち位置をみると、ここ30年間で、1人当たりのGDP、国際競争力、平均賃金など、様々な指標で大幅に順位を下げた。
そんなさなか、2015年から私は大阪で仕事をすることになった。まず「2030年には大阪をアジア№1の国際観光文化都市に」という目標を掲げ、ロードマップを作成し、官民一体となって、さまざまなチャレンジを続けてきた。キーワードは、①体験・感動、②元気・活力、③夢・希望、④多様性・共生・平等、⑤復活・対応力、⑥安全・安心・清潔・防災、⑦分散、⑧環境・みどり、の八つだ。大阪の経済も低迷するなか、外需を取り込んで内需を喚起していこうと、インバウンドに相当、力を入れた。
その結果として、2013年から2022年にかけては東京都(13.18%)を上回る13.42%の経済伸び率になった。2025年の「住みやすい都市ランキング」では7位にランクされ、世界での注目度も上がってきた。「2025年に行くべき52カ所」では38位。
万博の開催、「グラングリーン大阪」という都市緑化プロジェクト、LGBTQの世界大会を大阪で開催したことなどが評価された。
日本には世界に誇れるものがたくさんある。その資源を活かして世界に通用するものをつくり、地域外からヒト、モノ、カネを集めて、「三方よし」の持続可能な社会をつくる、という考えのもと、観光を「地域の総合的戦略産業」と位置づけた。
日本が世界に誇れるコンテンツを拾いだしてみると、①四季の変化、②美しい自然景観・街並み、③安心・安全・清潔、④時間が正確・ルールを守る、⑤おもてなし文化、⑥伝統文化・歴史的建造物、⑦創造性豊かな食文化・旬の自然食材、⑧伝統芸能・伝統工芸、⑨マンガ・アニメなどが挙げられる。これら全てが京都にはある。
京都で生まれ育った私は、京都にも大胆にチャレンジして欲しいという思いが強い。京都が10年後、どんな姿になればよいか。何を守り、何を変え、どのような魅力を発信していくのか。考えるべき時期にきていると思う。
私たちは今、大阪に来たお客様を、相撲、忍者、温泉などのテーマごとに、府の内外へ送客する周遊の仕組みもつくっている。
関西で一致団結して強みを活かし、地域全体を盛りあげていく工夫も重要だと考えている。
京都ロータリークラブ
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