2009.8.5
―新会員スピーチ―
「建設用タワークレーンの組立解体について」
(株)大林組 理事・京都営業所 所長
東谷 昌次 君
建設現場で使用される主なクレーンには移動式クレーン(クローラ型とトラック型)と定置式クレーン(タワー型クレーン)があり、その中でも高層建築現場の一番上にそびえ立つタワークレーン(クライミングクレーン)は日本の建築には不可欠な存在です。最大吊り上げ能力70tクラスの大型から1tクラスの小型まで種類は様々です。
クレーンの操作は国家試験によりクレーン運転免許がいります。高い所の運転席は冷暖房完備、トイレ・仮眠室も設置されており女性の運転手もおります。クレーンの豆知識として“CRANE”が語源で「起重機」以外に「鶴」という意味もあります。形状が鶴に似ている事から名付けられたと言われております。<
据付けは建物の内部に据付ける方法と建物の外部に据付ける方法があります。建物の形状・高さ・敷地全体の形状等によりメリットデメリットがあり、総合仮設計画でコスト等も考慮して決めます。建物が高くなるにつれクレーンも上昇させる必要がありますが、建物の高さが45m程度(15階建)であればマストクライミングが主流、高層になればフロアクライミングが有利となります。
マストクライミングは自分でマストを上に継ぎ足しながら自力(油圧)で上昇を繰り返していく方法です。フロアクライミングはマストと本体全体を建物にあずけながら上へ上へと昇っていく方法です。
タワークレーンの解体方法については屋上にて解体すべきクレーンの最大荷重が吊れる小型クレーンを組みたて親クレーンを解体し順次小さなクレーンにて解体し最後に手でリフトにて降ろして行く親亀―小亀―孫亀方式と、地上にてマストクライミングの逆の方法で降ろしてくる逆クライミング方式とがあります。
機体はデリケートな部材の集合体でありタワークレーンの組立解体には綿密な計画と作業手順を立て優秀な技術指導員の元、鳶が組立解体を行います。
建物が完成した時には何事もなかったように見えますが、建設現場の中でも特に危険を伴う重要な作業であり、絶対にミスは許されません。日本高層建築には絶対不可欠な存在なのであり、また、どんな大きなクレーンであっても最後は人の手で解体搬出されます。
「現地」「現物」「現認」
一日一日が事故なく終われます様に
ご安全に!!
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