2012.9.12
「ロイズについて」
税理士、大阪大手前R.C.元会長
三木 元昭 氏
ロイズは保険会社ではなく、保険市場を意味します。保険の引受けは従来無限責任会員のアンダーライターである個人事業者が保険証券に署名して引受けします。
ロイズの起源は、エドワード・ロイドが1688年にタワー・ストリートにコーヒーハウスを開いたことからスタートします。ロイズ・コーヒーハウスには船主、船長、商人等が集まり、船舶・海運に関する情報を求める人々の集会所として知られていました。このコーヒーハウスで当時賭けの延長での保険引受人、アンダーライターが生まれた。その後ロンドンでは会社設立ブームが起こり南海泡沫事件が発生する。いわゆるバブルの発生です。1720年に議会はBubble Act,泡沫法を制定し、保険引受業務を行える勅許会社2社に限定したが、ロイズにはかえって有利になった。この法律で個人は無限責任を負うことが義務づけられた。また公認会計士による監査の制度が誕生する。当時は海上保険を専門に取り扱うが、市場が世界に拡大しノン・マリン保険にも参加する。
ロイズに保険をかけるにはまず、ロイズ・ブローカーに相談しシンジケート(引受人の集団)を紹介してもらう。ブローカーがロイズの中で引受人を組織し、世話をしています。引受けが決まればロイズ・カバーホルダーが保険証券を作成します。ロイズでは、会計は暦年単位になっていますが、保険期間の一年が終了しても、その後2年間オープンにしておき3年後にReinsurance-to-close(RITC)と呼ばれる再保険をかけて終結します。この金額を将来の賠償等の危険を負担するために留保しておきます。
ロイズは1980年~90年にかけて米国からアスベスト、公害、健康問題等の裁判で1940年に遡り多大な賠償金を支払わされました。これは従来の保険条件が広範囲な危険を担保していたためです。このときにRITCでの留保金を使ったが1400名以上のアンダーライターやネーム(アンダーライターですが実際には引受けをしない)が破産しました。1996年には更にアンダーライターに210億ドルの出資を募り組織の改変をしました。ロイズはリスクのあるところには保険あり、果敢に新しい保険に挑戦します。その理念とするロゴはOf the utmost faith, 最高の善意をもって、自らの社会を“Society”と呼んでいます。
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