2015.7.29
「琳派を楽しむ~十人十色・百人百様~」
京都府参与 琳派400年記念祭委員会 ゼネラル・プロデューサー
山本 壯太 氏
本阿弥光悦が洛北の鷹峯に光悦村を拓いてから400年になる今年、「琳派400年記念祭」が京都を中心に年間を通じて開催されている。2008年の「源氏物語千年紀」を契機にして、その翌年、京都府・市などが中心となって「古典の日推進委員会」が発足。2012年には、11月1日を「古典の日」とする法律が成立した。その流れが、今回の「琳派400年記念祭」につながっている。
昨年6月2日、「琳派400年記念祭委員会」が発足し、京都文化交流コンベンションビューロー(京都市中京区)内にある「古典の日推進委員会」が事務局を兼務して、琳派に関するイベントが盛んになるようにプラットフォームの整備を進めてきた。今年11月1~3日には京都で「大交流祝典」を開催。11月をヤマ場として国際シンポジウムや琳派展が京都国立博物館や近代美術館等で催される。
本阿弥光悦や俵屋宗達から尾形光琳(「琳派」とは光琳の「琳」をとって名付けられた)へと続く美の系譜は、酒井抱一、明治大正期の神坂雪佳などへ受け継がれ、「RIMPA」として広く欧米の人たちを魅了してきた。
一方で、「琳派はわかりづらい」という声も聞かれる。それは、琳派が、狩野派などのいわゆる“流派”とは少し異なっているからだろう。人に教えを乞い、あるいは手取り足取り教えるのではなく、時間的・空間的に離れていながら、先達の作品から自分好みの技法を自由に取り入れる「私淑」によって、琳派の作風は継承された。だから、作者によってそれぞれに、作品が非常に個性的であることが琳派の最大の特徴だ。日本画の世界に多く見られる「写生」ではなくて、「写意」――描く人の個性を絵画で表現していることも、特徴的だといわれる。
400年の歴史を振り返ると、さまざまな時代に個性あふれる琳派の人たちが登場した。バラエティに富んだ琳派の美を、ご自分の好きな見方で楽しんでいただきたい。今年度の粂田会長のテーマにも「『京都のこころ』世界へのプレゼント」とある。
その「京都のこころ」のひとつとして、琳派の魅力を世界に向かって伝えていきたい。
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