大学卒業後、トヨタ自動車に入社。プロダクトマネージャーとして、ものづくりには人の暮らしをより良く変える力があることを知る。
2016年、長男を出産。脳性まひによる運動機能障がいがあることが分かり、トヨタ自動車を退職。
育児の中で、「障がい者と健常者との間にある分断をものづくりで解決していきたい」との想いを強くした。その課題解決のため「インクルーシブデザイン」というアプローチで、障がい者と健常者が共に使えるプロダクトやサービスを提供することによって、多様な人々の交流機会を増やしていきたいと思い、2020年に㈱Haluを立ち上げた。
「インクルーシブデザイン」とは、障がい者や高齢者など多様な人々のニーズに着目し、試作過程から当事者からのフィードバックも取り入れながら共に創っていくというアプローチ。
代表的なプロダクトが「IKOUポータブルチェア」。体幹が弱い障がい者や幼児の体をしっかりサポートする機能があるチェアを開発。従来の重い福祉器具のチェアと異なり、コンパクトに折りたたんでの持ち運びが可能となり、障がい者や小さい幼児とその家族の外出機会の創出に繋がった。健常児でも使いやすい製品となった結果、価格的にもかなり手に入れやすい製品になった。
今では、阪急電鉄での貸し出し用キッズチェアや、スポーツ観戦時の幼児用の補助椅子、災害時の避難先の体育館での幼児用の椅子等活用の幅が広がっている。
他にも、よだれかけや子ども服も生地やデザインにこだわり、メーカーと連携して開発する一方で、これまでの活動を基に、特別なニーズを持つ方々の課題やニーズのリサーチ・対応する企業の研修などの支援も行っている。
「インクルーシブデザイン」は、DEIの実現にも繋がるアプローチ。障がい者ニーズを起点にしたサービスは、大きな潜在需要があり、ビジネスの成長に繋がると考えている。
障がい者が、外出しづらいと社会からも可視化されにくい。多様な人々の交流機会を創出しつつ、インクルーシブな社会の実現を目指し、皆さまの力も借りながら取り組んでまいりたい。
スピーカープロフィール

松本 友理 氏
㈱Halu 代表取締役
2007年トヨタ自動車に入社。本社にてプロダクトマネージャーとしてグローバル戦略車の商品企画やコーポレート価格戦略を担当されました。2016年ご長男を出産。脳性麻痺による運動機能障害が判明。育児を通して、現在の日本では幼少期から生涯にわたり遊び・学び・仕事などの生活の場が障害の有無によって社会構造的に隔たれていることに課題を感じ起業を決意、2020年㈱Haluを創業、2024年第12回京都女性起業家賞・京都府知事賞最優秀賞を受賞されました。