例会プログラム

例会報告

―新会員スピーチ―「京都と八坂の不思議な成り立ち」

2023年12月06日

スピーカー: 八坂神社 宮司/ 野村 明義 君

実家である石川県の神社を26代目長男として後を継ぐはずでありましたが、令和3年コロナ禍に八坂神社第22代目宮司として就任。疫病が鎮まらなくなった八坂神社と祇園祭を元の疫病が鎮まる時代の姿に戻すのを目標としています。

三重の大学卒業後、東京乃木神社時代に山鹿流兵学から陰陽道を学び、八坂神社に転任後はその知識を活かして独自の歴『祗園歴』を作成、人生のライフワークとしています。

本日は京都検定にはない京都学として陰陽道の視点から「京都」と「八坂」について紹介します。

先ず「八坂」の「八」は通常「末広がり、無限大」のように縁起の良い数として使われますが、神道では吉数としての「八幡」、陰の極数としての「出雲の聖数八」、そのどちらでもない「太極の数八坂」によって使い分けられます。

また「京・都(みやこ)」の読みにおいても、天子即位の地(藤原・平城・平安)はどこでも「都(三八古)」であり、都を中心に太陽は東の果て伊勢の国三重県(陽の極地「三重」)から昇り、都の上を通って、西の果て島根県出雲の国(陰の極地「八重」)に沈んでいく太陽信仰の原理から生まれた言霊文化といえます。だから、繰り返し再生復活する太陽の力をいただくために、人と人の縁を永くつなぐ「お土産(三と八の気持ち)」となり、もうひと頑張りしたい時にいただく「三時のお八つ」となりました。でもこの「三八」を逆に使う「八三(やみ)」は「闇、病み、止み」のマイナスエネルギーとなってしまいます。

更にその太陽信仰を食文化に対応させたものが、伊勢うどん(白色・温かく食す)と出雲そば(黒色・冷やして食す)で、その中心的陰陽太極の麺となるのが奈良・平安の都の素麺(五色様々・冷やすもにゅうめんでも食す)となります。

こうした陰陽道視点の言霊文化には他にも幾つか有り、例えば「お疲(憑)れ様」や「乾杯(完敗)」など、八坂神社では独自のマイナス言葉として禁句です。実践すれば必ず「心身共に健やか」なロータリーライフ間違いなしです。

スピーカープロフィール

野村 明義 君
八坂神社 宮司

石川県七尾市鎮座の社家26代目のご長男としてお生まれになり、昭和56年に大学をご卒業後、東京乃木神社にご就職。12年間お勤めになり、平成5年に八坂神社へ転任。ご家族は奥様とお嬢様の3名で、それぞれ神職として奉職中とのこと。ご趣味について、学生時代は武術全般の修行を重ね、加えて現在では書道、茶道、謡曲を修行中とのこと。天文暦学にご興味がおありで独自の暦本を毎年編纂されております。