例会プログラム

例会報告

「ロータリーといろいろ」

2024年03月13日

スピーカー: R.I.元理事、京都R.C.会員/ 千 玄室 君

ロータリー在籍およそ60年。この間、R.I.理事、ロータリー財団の管理委員などの役職も経験した。ロータリーという組織を幅広い視野から見つめる機会をいただいた。同時に一人のロータリアンとして、奉仕の理想について自身に問いかけ、考え続けてきた。

ポール・ハリスは、善意の力を信じて奉仕に向き合った。その当時と比べると、最近のR.I.は巨大な組織に発展したが、大きくなり過ぎて、動きが鈍くなっていると感じる。

その理由の一つには、会員数やクラブ数の増強を重視し過ぎたことがある。アフリカ諸国などにクラブをどんどんつくった。なかには、エリートたちの親睦が目的で、奉仕がおろそかになりがちなクラブもあるようだ。そうした国の代議員がR.I.の規定審議会で、自分たちに都合のよい規約改正を求める発言をして、物議を醸す場面もあるという。

一方で、会員増強に力を入れたにも関わらず、会員数は減り、これもR.I.の動きを鈍らせる一因となった。R.I.の事業運営を支える、ロータリー財団への寄付が減少したからだ。

こうした状況のなかで、R.I.を支える各クラブや会員は、ロータリーの存在意義をいま一度、考えねばならない。R.I.の研修も今年度、従来のトレーニング・モデルからラーニング・モデルに変わった。一人ひとりが奉仕について真剣に考え、行動につなげようとする方針の現れだと思う。

R.I.では今、「なんでも乗り越えて、それをやっていかねばならない」と呼びかけている。この考え方は仕事にも通じる。壁に当たって行き詰まっても、苦労してそれを乗り越えて初めて、自分の居場所を確認できる。親睦も大切だが、自分が職業を通じて奉仕をするロータリーのメンバーであることを、もう一度考えていただきたい。

R.I.は1980年代に、予防接種を通じてポリオを根絶する「ポリオプラス」を開始した。世界中の人々へ平等に奉仕をするプログラムとして現在も続いている。ロータリーの奉仕とは、「Service above self」。自分を超えて、世界のためにどのようなかたちで尽くすことができるか。善意をもって手を差し伸べていこう。奉仕の理想に向かって皆で手をとりあって、私たちの目的を達成するために歩んでいきたい。

スピーカープロフィール

千 玄室 君
裏千家 前家元

1965年7月に京都R.C.に入会。1972-73年度京都R.C.会長、1975-76年度地区ガバナー、1988-90年R.I.理事、1998-2002年ロータリー財団管理委員、2004年には大阪で開催された国際ロータリー世界大会にて大会委員長を務められ、2005年にはロータリー栄誉賞を受章されました。現在も公益財団法人 ロータリー日本財団理事長を務められています。国内では文化勲章等を受章、海外でもフランスよりレジオン・ドヌール勲章コマンドゥール等を受章され、現在も外務省参与、ユネスコ親善大使等、多くの公職を持ちご活躍中です。