例会プログラム

例会報告

「楽しみの源流」

2024年01月24日

スピーカー: ㈱ロゴスコーポレーション 代表取締役社長/ 柴田 茂樹 氏

ロゴスのアウトドア用品は「海辺5メートル以内、標高800メートル以下」とフィールドを明確に決めている。高い山で使うアウトドア用品は登山専門店に、深い海で使うものはマリンショップに任せよう、最初にそう決めた。

祖父が1928年に創業した船舶用品の卸問屋が当社の前身だ。父が後を継いだが造船不況などもあり経営は苦しく、ヨットやウィンドサーフィンなどマリンスポーツに手を広げたがうまくいかなかった。大学を出てスポーツ用品の卸会社に就職し、機嫌よく仕事をしていた時、親父から電話があった。初めて家業の苦境を知り、経営再建のため入社したのが26歳の時だ。最初は在庫の山とやる気を失った社員しか残っていなかった。

いろいろ調べてみると売れ行きが良く収益率が高いのに、すぐ売り切れてしまう商品があることに気づいた。アウトドア用のテーブルセットだった。キャンプ用品なら生き残れると確信し、「海はもうあかんから、陸へあがろう」。そう社員に宣言した。

当時のテントの相場は39,800円だったが、うちは韓国から仕入れて29,800円で売った。でも本当のライバルは競合他社のテントではないなと感じていた。民宿の相場が1泊5,000円の時代、4人家族なら宿泊に20,000円かかる。それならテントを20,000円以下にすれば絶対、ヒットすると考えた。

そこに奇跡が起きる。1985年、プラザ合意により円高が急激に進み、社会では週休2日が定着した。テントが19,800円で売れるようになり、爆発的にヒットした。このころから使い始めたのがロゴスというブランドだ。ギリシャ語で「言葉」を意味する。

第一次アウトドアブームは1985年から10年続いた。アルプスの少女ハイジの世界にあこがれてキャンプに出掛けた世代だ。2009年から山ガールが出現し、第2次ブームの到来を確信して商品企画などの準備を始めた。大切にしたのは高い性能を追求するのでなく、女性や子どもが使いやすい製品にすること。今はブランドを生かしたライセンス事業にも力を入れている。ファストファッションのしまむらなど様々な企業と手を組んでいる。「多重奏経営」により、キャンプ一本足打法からの脱却を目指している。

スピーカープロフィール

柴田 茂樹 氏
㈱ロゴスコーポレーション 代表取締役社長

1979年3月同志社大学商学部卒業。1979年4月大阪のスポーツ用品卸売会社に就職。1982年8月祖父が船用品卸売会社として創業し、父の経営する大三商事株式会社(現 株式会社ロゴスコーポレーション)へ入社。業種業態を変更しながら事業の軸をアウトドア用品メーカーに移し、1980年代半ばに始まる第一次アウトドアブームの中心的企業になる。1997年7月株式会社ロゴスコーポレーションに社名変更。1998年5月代表取締役社長に就任。

2016年4月知財功労賞 経済産業大臣表彰(知的財産権制度活用優良企業等)受賞。現在に至る。